宇宙の森で感じる、美しき四季の移ろい
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宇宙の森で感じる、美しき四季の移ろい
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スペースと設備
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宿の風景をのぞいてみよう
神は、7日で世界を創造した。そして、あなたは四季で私の宇宙を創造するーー。
光と影、やまびこを頼りに、山の奥にある秘密の森の入口へと進む。今日は、海から遠く離れ、真夏と真冬の間にやってきた。「七天四季」――台湾で唯一の海に面していない県、南投の忘憂森林に向かう途中、溪頭のそばにある。素晴らしき想像力を働かせ、忘れられない思い出を描きたい。
繰り返す時間の中で、森の香りに抱かれて
美しき憧れを掻き集めて進み、淡い信念を拾い上げて前へ。車を走らせるほどに、寒さが身に染みる。だが、期待は高まる一方だ。車を停めた。宿は県道151線の隣に佇んでいた。緑の草木がテラスに映える。コンクリートの外壁、黒い窓枠からは、黄色い光がぽつんぽつんと漏れていた。緑の鉢植えが森の髪のようだ。傍らのドライフラワーは、南フランスの温かな太陽を彷彿とさせる。褐色の木製の長テーブルやぶら下がる裸電球が、温かなムードを醸し出していた。独創的な小物とポストカードは、美しき手仕事の日常をこちらに語りかけている。書棚から気になる本を取り出し、気に入ったレトロな椅子に腰かけた。午後のティータイムを待つ。ちょうどその時、看板猫のルビーがやってきて、ご挨拶がてらに甘えてきた。窓の外の緑がまぶしい。ふと見渡すと、そこかしこに心温まる風景が広がっていた。
「七天四季」は、「小肆,記」や「七天出走」のオーナー仕玟さんが、自ら手掛けた3つめの宿だ。かつて台中で最もおいしいブランチを出すと言われた「七天出走」は、契約期間の終了に伴い幕を閉じた。だが、それが予想だにしない「七天四季」の誕生となった。創作心あふれる仕玟さんは、自らの内に眠る想像力と粘り強さを、父親が購入したこの古い建物でとことん発揮した。設計図や水電配管図、防水・防湿対策から室内インテリアまで、すべて自ら手掛けた。丸1年を費やし、ようやくこの空間が目の前に現れた。語り尽くせぬ想いと共に。
12ヵ月の美しき風景
「七天四季」――そこは、あなたが探し求めていたもう1つの宇宙だ。時間はゆっくりと流れる。1日は1つの季節のように。どの客室にも月ごとの美しい景色が描かれている。
一月は真っ白な部屋。中央の青い椅子に静かに腰を下ろすと、窓の外を埋め尽くす緑が目に飛び込んでくる。二月は最も優雅だ。ほのかに灯る明かりの下で、スカートのすそを広げ、ペガサス座に思いを巡らす。三月、淡い緑が入り交じる春は一番好きな季節だ。蝶のように軽やかに、鳥たちが飛び交う。秘密のおしゃべりは永遠に続くだろう。
四月は小鹿のバンビの部屋だ。森から迷い込んだ小鹿たちが、部屋の隅でかくれんぼ、何匹みつけられるだろう?鹿の角が飾られた五月は、安らぎの部屋。そして屏風に隠された瑠璃色の歳月が、ゆっくりと流れてゆく六月。
七月、色とりどりのガーランドが飾られ、祝福の時が再び訪れている。夏との恋に落ちよう。八月、面格子からのラブレターを受け取る。九月、緑色の花園でワルツのステップを。十月、秋風に身をゆだねて舞い上がる。十一月、互いの夢を抱きしめ合えば、冬の景色も熱を帯び、祝賀の明かりが灯る。十二月、窓の外には山と霧の海が広がるが、部屋の中には雪が降る。あなたの腕の中で、四季折々の美しさに感謝しよう。
一日中心温まるおいしさを
空間だけではない。「七天四季」での食事は、四季の恵みを感じる幸せが詰まっている。
傾く陽射しが甘い、午後3時。ふんわり、さくっとしたアイスクリームワッフルをオーダーする。しっとりとしたウーロン茶のシフォンケーキもいい。キャラメルと塩バターがあふれだす、甘くてほろ苦い恋の味。あるいは甘酸っぱいレモンパウンドケーキはいかが?熱く濃厚なラテをすすり、口の周りのバターをペロリ。風に向かってブランコを漕ぐ少女のように、自然と笑みがこぼれだす。
10時、遅く起きた朝。ゆっくりと起き上がり、のんびりと下の階へ。清々しい森と芳ばしいコーヒーの香りが空気中に漂っている。出来たてのブランチはどれもおいしい。ふわふわのフレンチトーストには、手作りジャムを。大好きなアップルシナモンとくるみのメープルシロップをチョイスする。ひと口ごとに甘い幸せが訪れた。定番のクラシック・ブランチもある。オムレツ、ハム、ベーコン、ソーセージに、パンかスコーンがつく。お供は窓の外に広がる緑だ。英国風に優雅な活力を注入しよう。目と舌で味わう最高のひと時だ。
七日、四季、月ごと、部屋ごと、一秒ごとの感動…これらは、ある星の小宇宙だ。繰り返す時の中に、自分だけの風景を見つけ、新たな物語を書き記す。春、想像力は満たされ、夏、歓びに舞い踊る。秋、憧れに向けて飛び上がり、冬、郷愁を抱く。「七天四季」――最高に美しい日々がそこにはあった。