山海に抱かれた湖畔に輝く桃源郷
木洩れ日が降り注ぐ緑色の園内を歩く。7000坪近くを有する「後湖水月」では、ティーツリーや蓮、ジンジャーリリーなどさまざまな植物生態を観察することできる。これらは全て退職したおじいさんが手塩にかけて育てたものだ。さらに園内を行き来するアヒルや気ままに過ごす猫の姿も。看板犬はひなたぼっこ好きのハナに、愛嬌たっぷりのドードー&ポーポー。彼らは広大な園内で生きる喜びを与えてくれる。
「後湖水月」は、小温さん一家が暮らす母屋と、山に寄り添うように独立した海を臨む恋人たちのための「緑鑽石villa」、蓮池湖畔に佇む3棟が並んだ「水月湖villa」と2棟がそれぞれ独立した「空中鏡面屋villa」、山際に建つ白い「水間玻璃屋villa」、それからゆっくりと緑を楽しみながら美食が楽しめる「緑荷レストラン」から成る。ここは山と海のラインを描く水色の桃源郷だ。花蓮東海岸・後湖の山林で、旅人の訪れを待っている。
蓮池湖畔でさすらう静かで穏やかな休日
流木の取っ手をつかみ「水月湖villa」のドアを押し開ける。スキップフロア設計でまず下階へといざない蓮池湖畔を魅了させ、遠く起伏する山々の稜線へと繋ぐ。太陽が描く幻……目の前にモネの傑作『水連』が現れた。室内に目を向けると、どの空間からもこの美しい蓮池を眺めることができる。1階には大きな窓のリビング、2階にはバルコニーに面した寝室と一面ガラス窓の浴室がある。アメニティのフェイスマスクでさえ蓮の花だ。顔いっぱいに花開く蓮は、天然由来の成分が最高の美を引き出してくれるだろう。
もう一方の棚田や蓮池を独占している「空中鏡面屋villa」は、異なる趣を醸し出す。同様に独立した入口とメゾネット設計で、1階の坪庭の隣に隠された木のドアを開けると、下階へ向かう窪み式の設計になっている。リビングから寝室にかけての大きな窓から、湖畔が波打つのを間近に感じられる。蓮池の絶景やうっそうと生い茂る森はゲストだけのものだ。室内に大きなガラス窓の浴室があるばかりか、庭の木々を照らす光と影をも迎え入れる。屋外のらせん階段を上れば、屋上には10メートルの白いインフィニティプールが涼し気に輝いていた。果てしなく透き通るこの幸せの瞬間に、まるで鏡のように風光明媚な姿を映し出している。
緑のダイヤと白い小島が輝く恋人たちの場所
園内脇の坂道を1歩1歩上がる。茂るアカギとクスノキの先に、ようやく山を背に海を臨む「緑鑽石villa」にたどり着いた。ここは山を切り開いて建てられている。景観台にあるインフィニティプールは、淵まで水が満たされていて、眼下に見える磯崎海岸へと際限なく流れていくようだ。海の青さと空の青さが混じり合う。夕陽の替わりに一面の青……最高に美しい舞台を用意してくれていた。室内へと向かう。大きく不規則に切り取られた壁面とむき出しの鉄骨は、まるで野外キャンプのテントのようだ。床の高低差を利用して作られた浴室と寝室、ふかふかのダブルベッドにカウチソファや液晶TV、サラウンドシステム……落ち着きのある贅沢で快適な空間。振り返って下を見ると、天窓付きの開放型ヒノキ風呂があった。頭上の天窓には星空が広がる。星の光とキャンドルに照らされて愛する人とバスタイムを楽しみたい。
さらに最も神秘的で豪華な空間へ探索に行こう。層を成す緑の野を抜けると、山林脇の白壁に埋もれるように、地面に貼り付く入口を見つけた。回りこんでアプローチを進むと、突然明るく開放的な白い休日が目の前に現れる。「水間玻璃屋villa」だ。70坪の独立した庭付きの豪華な空間全てを独り占め。誰にも邪魔されない2人だけの秘密の楽園だ。両側の大きな窓からは光と風が気ままに流れる。揺れる水面の光と影の間に小島が浮かんでいた。リビングには2台のカウチソファがあり、60インチのTVとホームシアターシステムで、寝ころびながらブルーレイ鑑賞が楽しめる。柱で囲われた後方の寝室では、愛する人と素敵な夢が見られることだろう。そしてガラス戸を開けると、右岸には緑の芝が広がる半露天風呂が。半開放式のバスタブでは極上の贅沢が味わえる。左岸は蓮池湖畔のピッシーナ(超小型プール)で、小島に横たわりのんびりとできる。さらさらと流れる水、燦々と照り付ける太陽、切り取られた水生植物……ここはピュアな恋人たちに捧げられた純白の夢空間、秘められた純粋な愛を育む場所なのだ。
朝から夜まで、カラフルで鮮やかな花蓮の饗宴
夜、夕食は予約した「緑荷レストラン」の和風御膳をいただこう。爽やかな甘さのゴマ豆腐や柔らかなスズキの焼き物は格別だ。自家栽培の野菜と花蓮産の新鮮な食材を心ゆくまで味わいたい。朝、窓から差し込む陽射しで目覚めると、小温さん一家がおいしい朝食を用意してくれていた。山緑を眺めながら台湾式の温かなお粥や西洋風のあっさりとした味を楽しもう。昼には、さらに大満足のお弁当も。太陽の下草原で、涼やかな湖畔のあずまやで、あるいは遠く太平洋を眺めながら、カラフルなお弁当を広げて、気ままな休日を満喫しよう。
「後湖水月」――都会の喧騒を忘れさせてくれる、静かで心休まる桃源郷を見つけた。蓮のように心に大輪を咲かせ、広がる絶景を前に混沌とした想いを打ち払うことができる。心のままに過ごせる場所。そんな桃源郷を心に収めて、都会へ戻ろう。