新年おめでとうございます!今年はどこへ旅する予定ですか?台湾では春節が終わりを迎える頃、福を呼ぶとされる「八寶粥」を食べるのが、子どもから大人まで共通の思い出。そんな「八寶粥」はアウトドアのおやつとしても人気です。さあ、日本の皆さん、Dear b&bと「泰山八寶粥」についてきてください。一緒に甘いスイーツを食べて、1年の運気アップを祈りましょう!
倹約の「臘八粥」、栄養満点でおいしい「八寶粥」
「八寶粥」は、別名「臘八粥」といい、古くは中国仏教において、お釈迦様が悟りを開いた「臘八節」を記念して、羊飼いの女がささげた乳がゆをまねて献上し、信者にも幸福と長寿を願って分け与えられたのが起源とされています。それが旧暦12月(臘月)の8日であったことから「臘八粥」と名付けられたとか。のちに、民衆の食材はだんだんと豊かになり、多様性を増し、年の瀬に近しい人に贈り物を送り合う風習や年越しに向けて栄養を補う意味を持つようになりました。現在の台湾では、多くの寺廟で「臘八粥」が振舞われ、恵まれない人を救ったり、信者との縁を結んだりしています。また、この粥は食習慣としても台湾の暮らしに溶け込んでいます。一般的な緑豆・はと麦・なつめ・蓮の実・もち米・竜眼を使った甘いものや、栄養たっぷりのしょっぱい八寶粥、健康志向のベジ八寶粥など、さまざまな味があります。中でも、台湾を代表するのが「泰山八寶粥」です。こちらは、竜眼・もち米・押し麦・オーツ麦・緑豆・花豆・あずき・ ピーナッツの8種の具材入り。その後、黒糖入りの「黑八寶」も発売されました。牛乳を入れたり、湯圓(団子)などをゆでて加えたりして、多くの人が自分なりの味を楽しんでいます。
新年は初詣へ 参拝で開運を呼び込もう
毎年春節の時期になると、信心深い台湾人はご先祖様や家の門前で手を合わせるだけでなく、旧暦の元旦早々に寺廟へ出向いて、商売繁盛や家内安全を神様に祈ります。お供え物は、神様の好物の甘い物だとより誠意が伝わります!もしも起業や投資を考えているなら、台湾三大財運の神の一つに数えられる南投・竹山の「紫南宮」へ行ってみましょう。ここには、土地の神様に元手を借りて、翌年返金するという習わしがあります。お供え物にはピーナッツとお酒が特に神様の心をつかむそうですよ。もし媽祖(航海の女神)に平安をお参りしたいなら、線香の煙が絶えない雲林の「北港朝天宮」へ。ここは台湾中部の人が帰省時に参拝する人気の寺廟です。北港老街のゴマ油工房や手作り提灯の店を巡ったり、路地にあるカフェでコーヒーやスイーツを味わうことも。そして旧暦の元月9日に参拝するなら、ぜひ台南で最初に建立されたといわれる「天壇天公廟」へ。昔ながらのお供え物は、果物・菓子・紅亀粿(亀を模った菓子)など。穀物いっぱいの「八寶粥」でも、道教の最高神である玉皇大帝の生誕を祝うことができます。さあ、開運を祈りましょう。
新春は登山へ 新風景を切り開こう
新年はおでかけ、お年始回り、出かけるほどに春へと近付きます。一年の良いスタートは、円満で豊かなことを意味します。年の初めの外出に遠くまで見渡せる登山を選んだなら、新たな年は運が開け、出世が期待できるでしょう!老いも若きもみな楽しめる宜蘭・蘇澳の「七星嶺」は、「1星:泉、2星:湾、3星:山、4星:樹、5星:港、6星:海」とさまざまな景色を攻略することも、蘇澳の港の景色を見下ろすこともできる山。天気がよければ蘭陽平原や亀山島、太平洋まで見渡すことができます。写真を撮るのが好きなら、台湾三大日出スポットの1つである南投「金龍山」で、日出、夜景、雲海、瑠璃色に輝く光が生み出す美景をカメラに収めましょう。金龍の日出を拝み、厳かな雲海に足を踏み入れ、さらに近隣の日月潭へ足を運ぶことも。それから嘉義・阿里山には「5つ星歩道」と称される、著名な「頂石棹歩道群」が。歩けば、眼下に広大な山々と茶畑が広がり、雲海や夕焼けを満喫できます。暖かさを取り戻した春先には、桜並木の中を歩けるかもしれません。山登りのお供には「八寶粥」をお忘れなく。しっかり食べて英気を養い、山に森に分け入りましょう。
「新春初詣」「開運登山」のお供以外にも、福いっぱいの「泰山八寶粥」は、台湾の元宵節(旧暦の小正月)に欠かせない胃をいたわる食べ物でもあります。オフィスでのおやつやスポーツ時の栄養補給だけでなく、日本へのお土産にも最適です。あら、語り過ぎたらなんだかおなかが空いてきました――それでは、いただきましょう。心もおなかも満たされる、暮らしの中にいつもあるスイートなパートナー、「泰山八寶粥」を!