Hôtel de L'eau 留飯店

とびきり優雅な休暇へのいざない

ホテルの駐車場に車を停めて大きなドアを開けると、シンプルな外観から一変、エ レガントなロビーが目に飛び込んできた。安平の沈む夕陽が足下を照らし、大理石 の床に黄金色の光を反射させている。それはまるで豪華なカーペットのように、旅 人を出迎えてくれる。

広々としたロビーにあるのは、ゲストを迎えるフロントとカフェレストラン。象牙 色の天井に刻まれた幾層もの段が空間に広がりを与え、木目調の棚に並べたドライ フラワーは空間を優雅に彩る。華やかなシャンデリアの輝きに導かれフロントへ。 すると、親切なスタッフが無駄のない対応で今宵の部屋へと案内してくれた。ルー ムキーとスーツケースを手にエレベーターへと向かう。落ち着いた雰囲気の内装が 旅で疲れた心を徐々に癒してくれるのを感じた。素敵な休日が今、ようやく始まろ うとしているのだ。

広がる優雅な「ガラスの仮面」の世界

ゲストルームは全4フロア。各フロアはそれぞれ著名な女性をイメージしてデザイン されている。2階はケイト王妃。気高くクラシカルなムードだ。シンプルでありなが ら、温かみのあるフローリングの床。部屋に置かれたビンテージのデスクは、流れ た歳月の長さを語りかけてくるかのよう。3階はオードリー・ヘップバーンのような 、すっきりとしていて知性あふれるイメージ。黒と白を基調に、奥ゆかしく上品な 雰囲気を醸し出している。5階はフランスの人気モデル、ベティーナのように優雅さ と気品さがただよう。柔らかなピンク色のカーテンが、オフホワイトの手作りのソ ファを引き立てる。6階はココシャネルのような豪華さが溢れている。華やかな彫刻 が施されたベッドフレームと黒皮の大きな鏡をオレンジの照明が照らし、ラグジュ アリーなムードを漂わせている。どの部屋も上品さを感じさせ、まるでマンガ「ガ ラスの仮面」の世界のよう。優雅な休日へといざなってくれるのだ。

ルームタイプは全4種。仲良しの女性同士での宿泊なら「豪華四人房」を。バスルー ムを2つ完備しており、広い室内にはヨーロッパ製のクラシカルな家具が。眠りにつ く前にはアンティークのデスクで旅の思い出をつらつらと書き留めるのもいい。「 豪華双人房」と「雅緻双人房」にはキングサイズのベッドが設置されているから大 切な人との特別な夜にピッタリだ。さらに、シングルベッドが2台並べられている「 雅緻双人房」なら、誰にも邪魔されなることなく快適な眠りにつけるだろう。

ベジタリアンメニューの朝食で元気な1日の始まりを

朝、カーテンを開けると、南国の燦々とした太陽の光が部屋に降り注ぐ。明るく照 らされた室内は、心も晴れやかにしてくれるはず。ロビーの「蔬食楽」で提供され る朝食は、清潔な環境で水耕栽培された新鮮な野菜が使われている。メニューは5種 類あり、ベジフードに限らず一般のメニューも健康的だから安心だ。

大きな口を開けてトマトベーコンサンドをほおばる。ピーナッツバターが香り立ち 、柔らかなミルクトーストとカリカリに焼き上げられたベーコン、そしてシャキシ ャキのフレッシュレタスが口の中で踊り出す。漢方などを煮込んでだしをとった野 菜スープはとっても爽やかな口当たり。ベジタリアン用には、ゴマが香る五穀米の ごはんも。香辛料と花山椒を合わせた特製ソースは、とろ火でじっくり煮込まれて いるから辛さが抑えられ、風味ある香りが広がる。古都、台南での旅の1日は、体に 優しい朝食からスタートを。

台南安平の優雅なひとときをぜひここで。慌ただしい日々の歩調を緩めさせてくれ るはず。のんびりとしたリズムに身を委ね、安平河のほとりを散歩しよう。急ぐ必 要はない。秋の爽やかな台南で古都の美景を心行くまで楽しんではいかがだろうか 。